同年代の友人達が 家族を築いてく
人生観は様々 そう誰もが知ってる

という歌を聴いた当時、僕は家族を築く将来なんてまるで想像もできないでいた。きっと自分は一生独りで生きていくんじゃなかな、と早くも諦めていた。何をやってもダメで、容姿にも自信が持てず(今だって自信があるわけじゃないけれど)、そんな感じだからモテるわけもなく、ネガティブ思考全開だった。

この歌に共感するにはあまりにも若すぎるのに、当時は「十数年後にはこの歌が身に沁みてわかるようになるのかな」なんて思ったり。


未来なんて誰にもわからないとはよく言ったもので、何の因果か、それとも奇跡でも起こったのか、僕はすでに家族を築いている。だからというわけでもないのだけれど、あまり悲観しても仕方ないことだってあるんだと思う。

腐っていた当時の自分に、「大丈夫だよ」と言って自分の子どもの写真を見せてあげたい。きっと驚くだろうな。信じられないかもしれないけれど、事実なんだよ、と言って。

かと言って家族を築けば、楽しい事もあれば大変なこともある。築けば終わり、ではなくて、築き続けていくものだから。完成型だってない。それこそ死ぬまで続く、永遠のベータサービス。

負けないように 枯れないように 笑って咲く花になろう
ふと自分に 迷うときは 風を集めて空に放つよ今

大変なのは築くことではなくて、維持すること。維持するためには仕事だってがんばらなくてはならないし、家族のため家庭のため、考えなければならないことが山ほどある。そんな当たり前のようなことをわかっていなかった。昔から甘いんだよね、考え方が。



「花」を聴くと僕はなぜか秋を感じる。
残暑も終わり、正真正銘の秋が訪れた。寒さと共に身を引き締めてがんばろう。明日も。明後日も。来月も。これからも。


花 −Memento-Mori− / Mr.Children