『WiiSports』がリアルである弊害、ゲームである弊害

我が家でも絶好調稼働中の『WiiSports』ですが、うちの奥さんの腕前があまりうまくなりませんでした。特にテニスで。ボールを思った方向に打ち返すのが苦手なようです。プレイしているところをよく観察してみると、フォアに来たボールをバックで返そうとしたり、バックに来たボールをフォアで返そうとしたりしている。
それではWiiSports側では「誤った振り方をしている」と判断されて、ボールもうまく返せないはず。そこで助言してみました。

「フォアに来たボールをバックで返したらダメだよ」

「何それ。わかんない。どっちでもいいじゃん」

これだもの。どっちでもよくない。フォアはフォアで返さないと。

「それだからうまく返らないんだよ」

「(ムッとして)所詮ゲームなんだから」

その後何とか説明して、うまく返せるようになりましたが、この一連のやり取りで考えるところがありました。

確かに『WiiSports』はうまく出来ています。リモコンを振るだけで、ラケットを振るかのようにテニスボールを打ち返すことができる。フォアもバックもWiiで判断してくれます。その点はとてもリアルです。
しかし、移動はオートなので、来たボールに対してフォアかバックかを判断し、適切なフォームで打ち返さなければならない。この点はゲーム的な要素です。
リアルなテニスではフォアで打ちたいと思ったら、フォアで打てる体勢が取れる距離を移動すれば良いし、フォアに来たボールを無理やりバックで返すことも出来る。そのあたりを混同すると、WiiSportsではうまく打ち返せない。WiiSportsの出来が良過ぎる弊害です。

そんな奥さんですが、今ではテニスの熟練度が900ちょっと。プロに上がれるように日夜がんばっています。

ゲームに無関心だった人をここまでにさせるWiiは偉大だ。