「押忍!闘え!応援団2」レビュー


いわゆる「音ゲー」が大好きです。古くは「ビートマニア」から始まり、「DDR」「ギターフリークス」「ドラムマニア」「キーボードマニア」とコナミ系は広く浅くやってきました。もう周辺機器でいっぱいでした。「パラッパラッパー」「スペースチャンネル5」も印象深いです。続編が出ないのが惜しいです(特にSC5)。任天堂系では「ドンキーコンガ」、そして音ゲー史上屈指の傑作「リズム天国」にはハマりました。

そしてDSでは「押忍!闘え!応援団」なる音ゲーが生まれていました。ひっそりと。DSのタッチ機能を活かした画期的な音ゲーだったのですが、そのビジュアルが好き嫌いを生んだのか、タイトルから音ゲーとはわからないためか、売り上げ的にはいまひとつでした。しかし音ゲーはプレイしてこそその面白さがわかるものなので、一度手に取ったユーザの「面白い」という口コミだけは広がっていた気がします。たぶん。

その反応は国内に留まらず、海外にも飛び火していた様で、海外版応援団「Elite Beat Agents(EBA)」が海外で発売されました。音ゲーは言葉がわからなくてもビジュアルで面白さが伝わりますからね。「応援団」なる概念(学ランを着て応援する)は海外では伝わらないため、同じ役目を「エージェント」が解決する、という違いはありますが。確かにあの暑苦しいほどのアツい「応援団」は純日本的ですからね。

海外版を逆輸入するほどの人気が(一部で)あった「応援団」シリーズ。ファンの一人として応援団としての「続編」が登場するとは夢にも思いませんでした。が、任天堂なにを血迷ったのか英断を下してくれたのです。「応援団2」の発売が決定したのです。

しかし血迷ったとはいえ、そこは任天堂。同じ過ちは繰り返しません。タイトルを「燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2」として、リズムゲームであることをわかりやすくしました。CMも多量に投入し、応援団の暑苦しいイメージを前面に出すのではなく、プレイしている女の子を映すというタッチジェネレーションらしさをアピール。これでライト層の獲得を目指しました。確かにそれはそれで戦略的には正しいとは思います。手にとってもらえさえすれば、面白さは伝わりますから。でも。応援団の面白さは暑苦しいキャラクターとバカバカしいストーリーの展開にもあると思うんです。また逆にその部分が肌に合わなくてCMのさわやかな雰囲気に「だまされた」と思うユーザが出てこないか心配なところでもあります。

と前置きが長くなりましたが、この「応援団」のルールは簡単。音楽に合わせてDSの下画面に表示されていく「マーカー(○の中に数字が記されている)」を順番にタイミングよくタッチしていくだけ。タッチしてスライドさせるマーカーもあります。曲はいわゆるJ-POPなのでとっつきやすいです。一昔前の曲が多かったり、ボーカルは本人ではなかったりするのですが、そこはご愛嬌。画面上部のゲージがミスをするごとに減って行き、なくなるとゲームオーバーとなります。コンティニューは無限なので何回でも朝鮮が可能。クリアするごとにプレイ可能な曲が増えていき、曲の難易度が上がっていきます。

始めに選択する団員ごとに難易度が分かれていて、新人、リーダー、団長と難易度が上がっていきます。つまりはイージー、ノーマル、ハードと言うモード選択のようなものです。このキャラクターたちも個性的。具体的な難易度調整としては、マーカーの表示される量、速度が変化していきます。難易度が高くなるほどマーカーの量が増えていくわけです。その分曲とシンクロしていく(4拍でマーカー4つだったのが、ボーカルの音にあわせて8つになる等)ので、音ゲー好きとしては面白さは倍増していきます。

ではプレイしての感想を。今回は前作に比べ、イントロ部分のスキップが可能になり、何回も挑戦しやすくなりました。これは嬉しい。まあこれはEBAでもスキップは可能でした。ゲームとしての面白さは1作目で完成されているので、安心して遊べました。新しいと感じたのはマーカーに少しバリエーションが増えたと思います。短いスライドの連続や、同じマーカーへの連打からそのままスライドが続く、と言ったマーカーは今までになかったような。これにより面白さが向上していました。マーカーが増えれば増えるほどアドレナリンが分泌しまくりなのも相変わらず。
選曲はちょっと「?」となるものが多かったです。こればかりは個人の好みによって分かれてしまうのは当然なのですが、中の人の趣味なんじゃないかと思えるほど。前作に引き続いて「氣志團」「矢井田瞳」「布袋寅泰」「L'Arc〜en〜Ciel(HYDE)」の曲が選曲されています。まあ開発当時の流行化を選択しただけなのかもしれませんが。あとSMAPの「BANG! BANG! バカンス!」が女性ボーカルだったり。しかしまあ知らない曲でも楽しめるのでそれほど問題ではありません。でも90年代の流行歌ばかりだったらもっと楽しいだろうなあ。是非作ってもらいたいものです。ゲームをやらなくなった層に最適だと思うんだけどな。

で、今は団長をクリアしてその次の難易度「チアガール」に挑戦しているところです。今回は難易度が下がっているような印象です。それほど詰まることなくここまで来ることが出来ました。でもやっぱりチアはレベルが違う。マーカーもぎりぎりまで表示されないし、それによってタッチだけなのかスライドなのかの判断もつきづらい。マーカーの大きさもこれまでのレベルよりも一回り小さい。これはやり応えがありそうです。

「応援団」は音ゲー初心者にも優しいつくりになっていると思います。あのグラフィックでとっつきづらいと思っていた方にも是非挑戦してもらいたいソフトです。必死になってタッチしてしまうこと間違いなしです。