任天堂最大の敵は、なかなか手強そうだ。

最大の敵とは

 以前のITmediaのインタビューに、こうある。

岩田 他社とどう競争していくのか、とメディアからいつも質問を受けるのだが、わたしはライバルメーカーと競争しているという意識が本当にない。というのは、競争してもゲーム人口は増えないと思っているからだ。わたしたちが戦っているのはライバルメーカーではなく、ユーザーの無関心だ。ユーザーがWiiに触って納得してくれて、「Wiiに触ったらおもしろかった」とほかの人にどんどん伝えていくような“循環”が起きないと、多分Wiiによるゲーム人口の拡大はできない。我々はユーザーの無関心と戦っているため、ライバルメーカーとの戦いに意識が行っていない。この結果として、ライバルメーカーについてどう思うかをを問われても「我々とは違う方向を目指していらっしゃるのですね」という答えしか出てこない。

この言葉を聞いたとき、Wiiには勝算があると思った。この社長なら、据え置きゲーム機においてもトップになれるであろうと。

身近にいた最大の敵

 いよいよ発売日が今週末に迫った、Wii。もう7dreamで予約して、待ちきれない状態であった昨日、奥さんに一つ相談した。

「12月2日なんだけれど、10時から15分だけ時間もらっていい?GEOでWiiのソフト買ってくるから。」
「え、なんで?並ぶの?」
楽しみにしている新世代ゲーム機の発売日当日なんだから、ソフトを買ってすぐにでも遊びたいのは、普通ではないのだろうか。
「いや、ソフトの予約はしてあるんだけれどね。12月2日にWiiが届くからさ!」
「あ、そうなんだ。私はいじらないよ。」
 大量にCMがオンエアされ、一般層にでもWiiの情報が届くであろうと思っていたけれど、そうではないのか。いや、違う。あくまで関心がないのだ。関心がなければ目に止まってもスルーされてしまう。興味がないミュージシャンのCMや、下手すればカツラのCMと同じだ。自分には関係が無いと思われてしまうのか。
 これは手強い。SONYMicrosoftなんて目じゃない。Wiiのソフトだって危ない。あれだけ楽しそうでも、興味を持ってもらえない。バーチャルコンソールだって”懐かしさ”が売りだから、未プレイの人には興味を持ってもらえない。頼みの綱のニュースチャンネルは「テレビで見ればいい」、お天気チャンネルも「WNIのチャンネルで見ればいい」、インターネットチャンネルは「PCがあるじゃん」なんて言われそうだ。
 だから、ゲーム人口拡大には自分のような「ゲーム大好き」人間が、身近な無関心層にアタックをする必要がある。WiiSportsをプレイし、楽しさをアピールする。バーチャルコンソールを見せ、昔はこんなに楽しいソフトがあったんだよ、と説明し、ニュースが見たい時間に確認できるし、天気だって知りたい地域の詳細な天気が調べられることが何より便利なのを力説する。インターネットだってちょっとした調べモノに非常に便利なことを認識させる。レシピとか地図とかさ。Youtubeで面白いムービーだって観られる。
 それも、嫌がられないように、押し付けないようにしなければならない。上記のように力説している時点で、引かれそうだから。“循環”させることは難しい。

様々な敵に対応

 身近に循環させる人がいない人たちにもWiiを手にとってもらうためには、さらなるマーケティングプランが必要だろう。米国のWiiマーケティングプランにあるように、米国ではさまざまな展開がされているようだ。日本でもこれからWiiの露出が増えていくだろう。CanCamとかWITHに載るのも面白いだろうし、ヘルスパックがTarzanに載ったらすごいだろうな。無関心層の色々な所に様々な角度からアプローチしたら、敵も降参するんじゃないだろうか。

Wii will rock you.

 任天堂の思惑通りに動いている自分だけれど、本当にWiiには期待している。最大の敵も難なく倒してしまうかもしれない。倒してしまった後を心配してしまうくらいだ。まぁ、それは今考えないで、とにかくWiiの到着を待ちたい。