Wiiは無関心層の中でもより手強い「親世代」をも取り込めるのか、実際に確認してみた。

今回のターゲットは「お義母さん」

というわけで、今回は自分のお義母さんにWiiをプレイしてもらいました。
発端は遊びに来たお義母さんに奥さんが「WiiSportsの体力測定」をやらせてみようとしたことから始まります。ここでまずすごいと思うのは、Wiiに無関心だった奥さんがWiiに興味を持っただけでなく、さらにそれを人に勧めてみようとしたこと。人に勧めるということは自分の中で、これは人に勧める価値がある、しかも親のような年代でもWiiなら出来る、と判断してのことでしょう。その時点で取り込みにもう半分成功しているんじゃないでしょうか。

「本物と同じように投げると、うまくいく」

いよいよプレイ。体力測定をいきなりやらせるのは酷だと思い、個別の競技からはじめたほうがいいんじゃないかとを提案しました。そこで奥さんがお義母さんに勧めたのが「ボーリング」。どうやらお義母さんは昔マイボールとマイシューズをもっていたらしいのです。アベレージは200くらい。知らなかった。
いざプレイ。投げ方を奥さんが教えます。座りながら振るんだけれど、Bをうまく離せない様子。確かに振りながらBボタンを離すのはなかなか難しいと思います。しかし何投かするうちに、勝手がわかったらしく、自然と立ち上がってプレイするように。そしてフォームを取りながら振り始めました。そのとたん、なんとストライクを出せました。これには驚きましたね。様子を見ているとまんざらではなさそう。その後もストライクやスペアを出し、2回目のプレイでスコアは150。聞くと、「本物と同じように投げると、うまくいく」とのこと。ボーリングの完成度には頭が下がります。とても楽しそうに奥さんと話しながらプレイしていたのが印象的でした。スペアが取れなかったときに悔しそうにしていたのも。

次に「テニス」をプレイ。まずはCOM戦を。
説明として「フォアとバックに振るだけ、サーブはラケットを上げるように」と教えたのですが、サーブするときに自然と左手でボールをあげていました。「ボールをあげる動作はいらないよ」と教えましたが、あげたくなる気持ちもわかります。操作に関しては、ボールを打ち返すタイミングと、フォアとバックの判断が難しいようです。特に後者。まあこれは誰にでも言えることなんですが、逆に言うとプレイ自体の方法は難しくはなく、初めてでも直感的にプレイできるといえるんじゃないでしょうか。
その後奥さんと対戦をしたんであうが、最後には白熱して思いっきりラケットを振っていました。これもまた笑いながら、奥さんに文句を言いながら楽しんでいました。ちょっと疲れたようですが、それだけ振れば疲れますw

次に「ゴルフ」に挑戦してみたのだけれど、素振りの時点でギブアップ。ゲージがうまくあがらない。やはり「ゲージ」の概念がゲームらしさを出してしまっていて、受け入れがたいのかな。こればかりは仕方ありませんが。

気になる体力測定の結果

そして体力測定。やはりボーリングがとてもうまい。初めてでステージ10まで進めました。野球とテニスは難しかったようです。とくに野球。タイミングを取るのが難しくあてるのが精一杯でホームランは打てませんでした。テニスも最後のほうは大変そうでした。
結果は45歳。実年齢マイナス12歳。「まだまだ気持ちは40代!」だそうで、この結果には不満とのこと。笑ってたけれど。

WiiSportsで一番気に入ったのはやはり「ボーリング」とのこと。「本当に良く出来ている。」と褒めていました。確かに一番とっつきやすいと思います。なじみのあるスポーツだし、幅広い年齢層に受け入れられるでしょう。「親世代」に勧めるには、まずは「ボーリング」からがいいかもしれません。

Mii作成は家族のコミュニケーションに最適

その後、お義母さんのMiiを作成。奥さんとああじゃないこうじゃないといいながら作っていました。「こんな鼻じゃない」「このきらきらの眼にしてくれ」とか。髪型の種類が少ない、とのこと。確かにぴったり当てはまる髪型ってあまり無いかもしれません。でもある程度似ているMiiが出来ました。
次に、その場にいないお義父さんのMiiも作っていました。「こんなに毛はない」「そのはげ頭はひどい」とか。さすが長年連れ添っているだけあって、非常に似たお義父さんMiiが出来ました。笑ってしまうくらい。

見てて思ったのは、親子のコミュニケーションに最適なんじゃないかってことです。家族のことを話題にして、笑いながら同一の目的に向かって力を合わせる機会ってあまりないんじゃないでしょうか。Wiiは家族で楽しめて、ゲームをする世代としない世代の橋渡しするツールになり得ると思います。

Wiiは「親世代」をも取り込めるのか?

遊んでいる様子を見ると、取り込むことは可能だといってもいいんじゃないでしょうか。ただ、手にとってもらうまでがやはり難しい。CMを見ただけで買ってもらえるのかというと、それだけでは厳しいでしょう。手にとってもらえさえすれば・・・。

奥さんが言いました。
「来年新しいWiiって出るの?」
「来年末にはDVD再生機能付きのが出そうだよ。」
「じゃあ新しいWiiを買ったら、今使っているWiiは実家にあげよう
そうか、こうやってゲーム人口は拡大されていくのか。岩田社長、恐れ入りました。